トレンド体重とは?減量のための移動平均をわかりやすく解説

執筆: Periscopeチーム · · 約8分で読めます

トレンド体重とは、最近の計測値をなめらかに平均したもので、水分、食事、塩分による日々の変動を取り除きます。シンプルな7日間の移動平均でも十分ですが、指数平滑化したトレンドのほうが速く反応します。トレンドの傾きを1週間あたりの変化のペースとして読み、進捗は1日単位ではなく2~4週間で判断しましょう。

この記事のポイント

  • 1回の計測値には脂肪、水分、食べ物、塩分が混ざっているため、日々の0.5~1 kg(1~2 lb)程度の変化は、脂肪の増減についてはたいていほとんど何も語っていません。
  • 7日間の移動平均は最もシンプルなトレンドです。直近7回の計測値を足して7で割ります。
  • 指数平滑化は最近の日を重く扱いますが、単純な方式では、一定のペースで減っているときに数日遅れます。遅れを補正した(二重の)平滑化は傾きも追跡し、その差を縮めます。
  • 1週間でのトレンドの変化が本当の週あたりのペースであり、体重計の数値を2つ比べるよりはるかに安定しています。
  • どんなトレンドでも結論を出す前に2~4週間待ちましょう。また、記録の空白、休暇、新しい食事法の最初の1週間によってゆがむものと考えておきましょう。
目次
  1. トレンド体重と体重計の数値:1回の計測値が誤解を招く理由
  2. 7日間の移動平均の仕組みは?
  3. 指数平滑化したトレンド体重とは?
  4. 遅れの問題と、二重の平滑化による解決
  5. トレンドを週あたりのペースとして読むには?
  6. トレンドを読むときによくある落とし穴
  7. よくある質問

トレンド体重とは数日分の体重を平均したもので、どの1回の計測値よりも実態に近い数値です。今朝の体重は、体脂肪と筋肉に、出たり入ったりする1~2 kgほどの水分と、まだ消化の途中にある食べ物を足したものです。平均をとるとこうした短期的な要素が打ち消し合い、その下にあるゆっくりした変化が見えてきます。

トレンド体重と体重計の数値:1回の計測値が誤解を招く理由

体重計の数値はある朝の1回の計測値ですが、トレンドは多くの計測値を混ぜ合わせたものなので、水分や食べ物ではなく、主に脂肪と筋肉の変化を追います。体重計の数値を日々動かしているものは、ほとんどが脂肪ではありません。蓄えられた炭水化物(グリコーゲン)は約3~4倍の水分と一緒に保持されるため、パスタたっぷりの夕食で翌朝0.5 kg(1 lb)以上増え、2日後にまた減ることがあります。塩分も同じような働きをします。1,400人以上を対象としたヨーロッパの研究では、体重は週末に増えて平日に減り、その差は平均約0.35%でした。体重180 lb(約82 kg)の人なら、約3分の2 lb(約0.3 kg)にあたります(詳しくは週末の体重増加をご覧ください)。これよりはるかに大きく変動する人も大勢います。

一方、本当の脂肪の減少はゆっくりです。1週間に1 lb(約0.45 kg)のペースなら、1日ごとの本当の変化は約7分の1 lb(約65 g)で、ばらつきよりはるかに小さいのです。今日と昨日を比べるのは、波をひとつ見て潮の満ち引きを確かめるようなものです。数値を動かす要因の一覧は、体重が日によって跳ね上がる理由をご覧ください。

7日間の移動平均の仕組みは?

直近7回の計測値を足して7で割ります。翌日は最も古い日を外し、新しい日を加えて同じことをします。この順にずらしていく方式が移動平均です。代わりにカレンダーの1週間ごとに1回計算すれば、1週間の平均体重になります。こちらは粗くなりますが、仕組みは同じです。どの日の跳ね上がりも7分の1に薄まり、どの期間にも各曜日が1日ずつ含まれるので、週末と平日のリズムも平均でならされます。

2週間分の説明用の数値で計算例を見てみましょう。この数値の人は、ばらつきの下で1週間に約1 lb減っています。

曜日計測値(lb)7日間の平均(lb)
月186.4
火185.3
水186.5
木185.4
金185.5
土186.3
日185.8185.9
月184.6185.6
火185.1185.6
水183.9185.2
木184.8185.1
金185.0185.1
土185.5185.0
日184.6184.8

説明用のデータであり、実在の人のものではありません。

まず生の数値の列を見てください。最初の日曜日から2回目の月曜日にかけて、体重計の数値は1.2 lb下がります。火曜日に0.5 lb上がり、水曜日に1.2 lb下がり、土曜日までに1.6 lb上がります。1日ずつ読むと、良い知らせと悪い知らせが交互に来るジェットコースターです。

平均の列はもっと穏やかです。最初の日曜日から次の日曜日までに1.1 lb下がっています。これは本当のペースに近い値です。2回目の土曜日の185.5への跳ね上がりは、ほとんど表れていません。

自分の数値を体重トレンド計算ツールに貼り付ければ、計算しなくても同じ列が得られます。

指数平滑化したトレンド体重とは?

新しい計測値が期間全体を入れ替えるのではなく、トレンドを少しずつ動かしていく移動平均です。たとえば平滑化係数が0.15なら、今日のトレンドは今日の計測値の15%と昨日のトレンドの85%を足したものです。昨日のトレンドも同じ方法で計算されているので、古い日もまだ反映されますが、さかのぼるほどその比重は小さくなります。NISTの工学統計ハンドブックは、これを過去の観測値に指数関数的に減少する重みをつけることだと説明しています。

これには7日間の期間と比べて実用的な利点がいくつかあります。重かった日が1週間後に突然平均から外れて、ラインががくんと変わることがありません。測り忘れた日があっても何も壊れず、トレンドはそれまでの値から続くだけです。また、調整もできます。係数を小さくすればなめらかでゆっくりしたラインに、大きくすれば体重計の数値により近いラインになります。

遅れの問題と、二重の平滑化による解決

体重が一定の方向に着実に動いているとき、過去の平均はどれも遅れます。1週間に1 lb減っているなら、平均に含まれるどの数値も少し重かった日のものなので、トレンドは実際の位置より上になります。

7日間の期間では遅れは約3日で、このペースなら0.5 lb弱です。係数0.15の単純な指数平滑化では、計算上6日近く遅れ、約0.8 lbになります。大問題ではありませんが、ラインはしばらく先週の状態を示し続け、本当の変化を確かめるのにも時間がかかります。

二重指数平滑化(ホルト法、または遅れを補正したトレンドとも呼ばれます)は、1つではなく2つのものを追跡することでこれに対処します。平滑化した体重に加えて、体重がどれくらいの速さで動いているか、つまり傾きの推定値も平滑化して保持します。そして毎日、新しい計測値を混ぜる前に、昨日のトレンドをその傾きの分だけ先に進めます。NISTのハンドブックの言葉を借りれば、トレンドの項を加えることは「遅れをなくすのに役立つ」のです。わかりやすく言えば、1日に約7分の1 lbずつ減ってきたなら、この方式はそれが続くと見込んでラインを調整するので、いつも後を追うことにはなりません。

傾きも平滑化されます。通常は体重よりはるかに強く平滑化されるので、変わった朝が1回あっても大きく振れることはありません。下のグラフは、5週間分の説明用データに、水準の係数0.15、傾きの係数0.03を使ったものです。

35日分の説明用の毎日の計測値を灰色の点で示したグラフ。点は約186 lbから約182 lbへ右下がりになめらかに下がる青いトレンドラインの周りに、1~2 lbの幅で散らばっている

目を引く点が2つあります。19日目の185.5への跳ね上がり(前の晩に塩辛いテイクアウトを食べたと考えてください)は、ラインをほとんど持ち上げていません。そしてラインは点の真ん中より少し上を通っています。これは、傾きの推定値がゼロから始まり、これほど強く平滑化すると本当のペースを学ぶのに何週間もかかるからです。35日目のトレンドは181.8で、同じ数値の単純な指数平均の182.3と比べると、補正は少しずつですがきちんと働いています。傾きを強く平滑化するほど、反応の速さと引き換えに安定性が増します。

Periscopeの「レポート」タブのトレンドラインは、このような遅れを補正した移動平均を1日ごとに計算しており、計測のない日は補間で埋めています。

トレンドを週あたりのペースとして読むには?

今日のトレンドの値から7日前のトレンドの値を引きます。これが1週間あたりの変化のペースです。もっと安定した数値が欲しければ、4週間の変化を4で割りましょう。

グラフのデータでは、平滑化したトレンドは7日目の約186.0から35日目の約181.8へと動いています。4週間で4.2 lb、1週間あたり約1.05 lbの減少です。同じ期間の生の計測値(185.8から181.3)なら1週間あたり1.1 lbとなり、たまたま近い値ですが、別の2日を選べば1週間あたり0.5 lbから2 lbまで、どんな値にもなりえます。

目安として、CDCは1週間に約1~2 lbのペースで減量した人のほうが体重を維持しやすいと述べています。詳しくは1週間で無理なく減らせる体重をご覧ください。

週あたりのペース考えられること
3週間以上、1週間に0.5~2 lb下がっている着実な減少。1週間に1~2 lbはCDCが体重の維持と結びつけているペース
3週間以上、1週間に約±0.3 lb以内体重はほぼ横ばい。停滞期とむくみの見分け方を参照
1~2週目だけはるかに速く下がっている食事を変えたことによるグリコーゲンと水分であることが多く、すべてが脂肪ではない
休暇や旅行の後に上がり、その後横ばいになる一部は水分と食べ物の量。1~2週間後にもう一度確認する
3週間以上、着実に上がっている注意して見る価値のある本当の上昇傾向

トレンドを読むときによくある落とし穴

トレンドの質は、もとになる計測値の質で決まります。よくある失敗は次のとおりです。

  • 条件が変わる。 朝食後に測る日と朝食前に測る日があると、トレンドが吸収しなければならないばらつきが増えます。同じ時間に、同じ体重計で、トイレの後に測りましょう。体重を測るタイミングをご覧ください。
  • 記録の空白。 平滑化は1~2日の測り忘れなら埋められますが、長く間が空くと推測に頼ることになります。ある研究では1か月以上の中断が体重増加と関連していたので、空白はそれ自体としても気にとめておく価値があります。
  • 早すぎる判断。 最初の1~2週間はトレンドがまだ落ち着いておらず、食事を変えるとすぐに水分が減ります。ペースを判断する前に、3~4週間分のデータがそろうのを待ちましょう。
  • 休暇。 同じヨーロッパの研究では、体重は平均でクリスマスの間に約1.35%増えました。休暇後の増加は、一部は1~2週間で消え、一部は残ります。どちらなのかはトレンドが教えてくれます。
  • 月経周期。 むくみは生理の初日ごろにピークを迎える傾向があります。隣り合う週どうしを比べるより、周期の同じ時点どうしを比べるほうが意味があります。
  • 平滑化しすぎる。 なめらかすぎるラインは、ばらつきも本当の変化も同じように隠してしまいます。何かに反応するのに1か月かかるトレンドは、遅すぎて役に立ちません。

測る頻度も重要です。毎日かそれに近い頻度で測ると、週1回の計測よりなめらかで反応のよいトレンドになります。体重を測る頻度では、測る回数を減らしたほうがよい場合も含めて、それぞれの長所と短所を解説しています。

出典

  1. Kreitzman SN et al. Glycogen storage: illusions of easy weight loss, excessive weight regain, and distortions in estimates of body composition. Am J Clin Nutr, 1992. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1615908/
  2. Turicchi J et al. Weekly, seasonal and holiday body weight fluctuation patterns among individuals engaged in a European multi-centre behavioural weight loss maintenance intervention. PLoS One, 2020. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32353079/
  3. NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods. Single exponential smoothing. https://www.itl.nist.gov/div898/handbook/pmc/section4/pmc431.htm
  4. NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods. Double exponential smoothing. https://www.itl.nist.gov/div898/handbook/pmc/section4/pmc433.htm
  5. Centers for Disease Control and Prevention. Losing weight. https://www.cdc.gov/healthy-weight-growth/losing-weight/index.html
  6. Helander EE et al. Are breaks in daily self-weighing associated with weight gain? PLoS One, 2014. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25397613/
  7. White CP et al. Fluid retention over the menstrual cycle: 1-year data from the Prospective Ovulation Cohort. Obstet Gynecol Int, 2011. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21845193/

よくある質問

減量にとって良い体重のトレンドとは?

1週間に約1~2 lb(およそ0.5~1 kg)のペースで下がるトレンドは、CDCが体重を維持しやすいとしているペースです。それより遅くてもかまいません。大切なのは、数週間にわたってトレンドが正しい方向に進み続けることです。

トレンドには何日分の計測値が必要ですか?

7日間の平均を始めるには1週間分のデータが必要で、どんなトレンドも2~4週間たつと信頼性が増します。それまでは、ラインはまだ落ち着いていない状態です。

7日間の平均と指数平滑化、どちらが良いですか?

方向を見極めるにはどちらでもかまいません。7日間の平均は手計算でも簡単です。指数平滑化は測り忘れた日にも強く、変わった数値の日が期間から外れたときに急に跳ねることもありません。遅れを補正した方式なら、一定のペースで減っているときも実際の体重により近い値を保てます。

トレンド体重が体重計の数値より高いのはなぜですか?

着実に減っているときは、過去の計測値の平均には重かった日が含まれるので、今日の数値より上になります。普段より軽い朝が続いた後にも上になることがありますが、それはたいてい元に戻ります。

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