体重計に表れない成果:体重以外で進捗を記録する方法
執筆: Periscopeチーム · · 約7分で読めます
体重計に表れない成果とは、体重計が見逃しがちな、測ることのできる進捗のサインです。ウエストが細くなる、服がゆるくなる、写真で変化が見える、筋力や持久力がつく、安静時心拍数が下がる、そして医療者が測った場合の血圧の低下などがあります。水分、グリコーゲン、筋肉が体重計の上で脂肪の減少を隠すことがあるので、いくつかを決まったスケジュールで記録しましょう。
この記事のポイント
- 体重計の数値には、脂肪のほかに水分、グリコーゲン、腸の内容物、筋肉が混ざっているため、脂肪が減り続けていても1~2週間停滞することがあります。
- 毎回同じ方法でメジャーを使って測るウエストは、体重計と組み合わせる単独のチェックとして最も役立ちます。
- 進捗写真と、サイズの合った服1着があれば、数値では示せない体形の変化をとらえられます。
- 筋力、持久力、安静時心拍数は定期的な運動に反応し、決まった基準を使えば簡単に記録できます。
- これらのほとんどは、毎日ではなく2~4週間ごとに確認しましょう。変化の遅い指標は、本当の変化が表れるまでに時間がかかります。
目次
体重計に表れない成果とは、体重計が見逃すものを補ってくれる指標のことで、役に立つのは測って、書き留めて、時間をかけて比べられるものです。体重計はすべてを一度に量ります。脂肪、筋肉、水分、まだ腸にある食べ物、そして膀胱にたまっているもの。脂肪を減らそうとしているとき、体重計は最も手軽な指標であると同時に、最もノイズの多い指標の1つでもあります。
体重計の数値が変わらないのに脂肪が減ることがあるのはなぜ?
脂肪は体重計が量っているものの一部にすぎず、ほかの部分のほうが速く動くからです。1~2週間のうちなら、水分と蓄えられた炭水化物の変化が、減った脂肪の分を簡単に打ち消してしまいます。
覆い隠す原因の大半は、次の3つです。
- グリコーゲンとその水分。 体は炭水化物をグリコーゲンとして筋肉と肝臓に蓄え、1 gごとにおよそ3~4 gの水分と一緒に保持します。炭水化物の多い数日を過ごすとその蓄えが満たされて体重計の数値が上がり、炭水化物の少ない期間が続くと蓄えが減って数値が下がります。どちらも脂肪ではありません。
- 水分の移動。 週末の食事パターン、旅行、月経周期は、どれも体内の水分を動かします。1年間のある研究では、自己申告によるむくみが月経の初日にピークを迎え、別の研究では、体重は週末に増えて平日に下がる傾向があることがわかりました。
- 筋肉。 筋トレを始めたなら、食事制限中に本来なら失われる筋肉を維持したり、少し増やしたりしているかもしれません。肥満の高齢者を対象とした6件の試験のメタ分析では、週3回の筋トレが、カロリー制限による除脂肪量の減少をほぼすべて防いだ一方、脂肪の減少は同程度でした。維持した筋肉は、体重計に残る重さです。
だからといって、体重計が役に立たないわけではありません。1回の計測値、あるいは1週間分でも、誤解を招くことがあるということです。なめらかにしたトレンド体重が助けになり、最近の計測値から週平均の体重を計算することもできます。以下の指標も助けになります。停滞しているのか、単に水分をため込んでいるだけなのかわからない場合は、停滞期か、むくみかをご覧ください。
記録する価値がある、体重計に表れない成果は?
毎回同じ方法で測れるものです。この表から全部ではなく2~3個を選びましょう。
| 指標 | 測り方 | 頻度 | 進捗の表れ方 |
|---|---|---|---|
| ウエスト | 息を吐いた後、腰骨のすぐ上でお腹まわりにメジャーを巻く | 2~4週間ごと | 同じ位置で測った数値が小さくなる |
| 服のサイズ感 | 今きつめの「テスト用」の服を1着決める | 2~4週間ごと | 留めやすくなる、着たときの収まりが変わる |
| 進捗写真 | 同じ場所、光、距離、ポーズ、服装で撮る | 2~4週間ごと | 並べて比べると変化が見える |
| 筋力 | 限界までの腕立て伏せの回数や、決まった回数を上げられる重量など、繰り返せるテスト | 4週間ごと | 回数が増える、または同じ回数でより重い重量を上げられる |
| 持久力 | 決まったコースのタイムを測る、または何階分の階段で息が切れるかを記録する | 4週間ごと | タイムが速くなる、または同じきつさでより多くの階を上れる |
| 安静時心拍数 | 起床時に60秒間脈を数える、またはウェアラブル端末の安静時の数値を使う | 週平均 | 数か月かけて徐々に下がる |
| 血圧 | 医療者が測る、または医療者が勧めた家庭用血圧計で測る | 医療者の指示どおり | 時間とともに数値が下がる |
| 睡眠と体力 | 週に1回、同じ曜日にそれぞれ1~5で評価する | 毎週 | 1か月にわたって高い評価が続く |
結果は日付とともに、体重と同じ場所に書き留めましょう。先月と比べられる数値のほうが、なんとなく調子がよいという感覚より勝ります。
ウエストを正しく測るには?
まっすぐ立ち、腰骨の一番上の位置を探して、そのすぐ上でお腹まわりに柔らかいメジャーを巻きます。米国のNational Heart, Lung, and Blood Instituteは、息を吐いた直後に測るよう勧めています。メジャーは一周すべて水平に保ち、肌に食い込まない程度にぴったり当てます。
同じ時間帯(朝、朝食の前がおすすめです)に、同じ位置で測りましょう。ウエストの幅は上から下まで同じではないため、今月メジャーが1インチ(約2.5 cm)高い位置にあると、前回と比べられない数値になってしまいます。トレンドに加えて基準値も欲しいなら、英国のNICEはウエストを身長の半分未満に保つことを勧めています。
服や写真も本当の計測といえる?
条件を固定しておけば、いえます。始めた時点できつかったジーンズは、ウエスト、腰、太ももにまとめて反応するため、意外なほど敏感な目安になります。1本をテスト用に取っておき、サイズ感の違うブランドの別のジーンズで判断しないようにしましょう。
写真は、姿勢の変化や肩と背中の見え方など、体重計にもメジャーにも表れないものをとらえます。ただし、すべての写真を同じ方法で撮った場合に限ります。光、距離、ポーズについては、進捗写真の撮り方のガイドで解説しています。
筋力と持久力はどう記録する?
正確に繰り返せる基準を選び、月に1回ほどテストしましょう。たとえば次のようなものです。
- 正しいフォームでできる腕立て伏せの回数
- プランクを続けられる時間
- 同じコースを歩くか走るのにかかる時間
- 慣れた種目で、きれいなフォームで8回上げられる重量
時間帯や睡眠の状態などの条件も書き留めておけば、調子の悪い日が後退のように見えることはありません。筋力とスタミナは、体重計が動かない週にも向上し続けることがあり、横ばいのトレンドに対する頼もしい支えになります。
安静時心拍数から何がわかる?
わかるのは脂肪よりも体力のことです。191件の運動研究をまとめたシステマティックレビューでは、定期的な運動が安静時心拍数を下げ、その効果は持久系トレーニングとヨガで最もはっきりしていました。もともと安静時心拍数が高かった人ほど、下がり幅が大きい傾向がありました。
朝、起き上がる前に測るか、フィットネス用の腕時計の安静時の数値を使い、週平均を見ましょう。カフェイン、アルコール、睡眠不足、ストレス、病気は、どれも1~2日ほど心拍数を上げることがあります。はっきりした理由なく急に変わった場合や、めまいや失神を伴う場合は、体力のサインと考えず、医師の診察を受けましょう。
体重が減ると血圧は下がる?
多くの人では下がります。25件のランダム化比較試験のメタ分析では、血圧は上も下も体重1 kgの減少ごとにおよそ1 mmHg下がり、5 kgより多く減ったグループではさらに大きく下がりました。
これは自分だけでなく、医療者と一緒に記録すべき指標です。数値は血圧計のカフ、時間帯、座っていた時間によって変わります。血圧の薬を飲んでいるなら、家庭での測定値をもとに自分で変更しないでください。体重の変化に合わせて、医師が薬を見直したいと考えるかもしれません。
睡眠、体力、日常のことは?
これらも本物の成果ですが、最も記憶違いをしやすいものでもあります。だからこそ、週1回の簡単な評価が役立ちます。週に1回、同じ曜日に、睡眠、体力、気分をそれぞれ1~5で採点しましょう。2か月後には、記憶より信頼できるものが手元に残ります。
日常の指標も、具体的にすれば同じように使えます。「買い物袋を持って2階分の階段を休まず上れた」「ベルトの穴を1つ詰めた」なら、来月もう一度確かめられます。「調子がよい」では確かめられません。
すべてをどうまとめる?
月に1回の確認日を決めましょう。4週間ごとの同じ朝に、ウエストを測り、写真を撮り、テスト用の服を試着し、基準の記録をつけます。そして、それらを同じ期間の体重のトレンドと並べて見ます。
トレンドが下がり、ウエストが細くなっていれば、うまくいっています。トレンドが横ばいでもウエストと写真が変わっているなら、水分をため込んでいるか少し筋肉がつく一方で、脂肪は減っている可能性が高いので、もう数週間様子を見ましょう。1か月以上すべてが横ばいなら、そのときが見直しのタイミングです。その判断については、減量の進捗を記録する方法のガイドで詳しく解説しています。
測りすぎについてひと言
記録する項目が多ければよいというわけではありません。体を測ることで不安になったり、頭から離れなくなったりする場合や、摂食障害の経験がある場合は、体力、筋力、日常生活の感じ方など、最も負担の少ない指標を選ぶか、しばらく記録から離れましょう。National Eating Disorders Association(米国)とBeat(英国)がサポートを提供しています。
出典
- Kreitzman SN, Coxon AY, Szaz KF. Glycogen storage: illusions of easy weight loss, excessive weight regain, and distortions in estimates of body composition. American Journal of Clinical Nutrition, 1992.
- White CP, et al. Fluid retention over the menstrual cycle: 1-year data from the Prospective Ovulation Cohort. Obstetrics and Gynecology International, 2011.
- Orsama AL, et al. Weight rhythms: weight increases during weekends and decreases during weekdays. Obesity Facts, 2014.
- Sardeli AV, et al. Resistance training prevents muscle loss induced by caloric restriction in obese elderly individuals: a systematic review and meta-analysis. Nutrients, 2018.
- National Heart, Lung, and Blood Institute. Aim for a healthy weight.
- NICE. Keep the size of your waist to less than half of your height, NICE recommends. 2022.
- Reimers AK, Knapp G, Reimers CD. Effects of exercise on the resting heart rate: a systematic review and meta-analysis of interventional studies. Journal of Clinical Medicine, 2018.
- Neter JE, et al. Influence of weight reduction on blood pressure: a meta-analysis of randomized controlled trials. Hypertension, 2003.
- National Eating Disorders Association and Beat.
よくある質問
体重計を使わずに、やせてきているとわかるサインは?
最も信頼できるのは、ウエストの計測値が小さくなる、服がゆるくなる、並べた写真で変化が見える、運動や階段が楽に感じられる、といったサインです。定期的な有酸素運動を続けると、安静時心拍数が下がることもよくあります。
サイズは減るのに体重が減らないことはありますか?
しばらくの間ならあります。水分の移動や蓄えられたグリコーゲンが体重計の上で脂肪の減少を覆い隠すことがあり、筋トレを始めたなら少し筋肉がついているかもしれません。ウエストが細くなり続けていれば、たいていその後の数週間で体重計も追いついてきます。
ウエストはどのくらいの頻度で測るべきですか?
2~4週間ごとで十分です。ウエストのサイズはゆっくり変わるため、頻繁に測りすぎても、ほとんどはメジャーを当てた位置やその日のむくみ具合の違いを拾うだけです。
安静時心拍数が下がるのは脂肪が減ったサインですか?
直接のサインではありません。体力が向上しているサインであり、それはしばしば減量の取り組みに伴うものです。はっきりした理由なく安静時心拍数が急に変わった場合や、めまいや失神しそうな感じがある場合は、医師に相談しましょう。